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2010年05月 アーカイブ

地球時代における新首都像 その2

新しい全国総合開発計画の基本的な考え方である『21世紀の国土のグランドデザイン』(国土庁、1995年)も、以下のようなことを述べています。

「人類の経済社会活動の規模の拡大や技術革新による人、物、情報等の移動に関する時間・距離の大幅な縮小、冷戦構造の崩壊による国境の垣根の低下等から、今や地球全体が様々な意味において一つの圏域と化しつあり、国内問題が地球規模での問題と直結する傾向がますます強まっていこう」。

「地球時代」とも言える21世紀においては、新首都には、わが国の首都であると同時に人類共通の都市としての首都という側面を強く打ち出したグローバルな視点に立ったコンセプトが求められます。

いい換えれば、これから考えられる新首都は、わが国が21世紀を切り開く象徴として位置づけるものであり、近代産業文明の時代における首都ではなく、近代産業文明の諸問題を解決し、新しい、より人間的な産業文明を実現する首都であり、さらに地球市民に貢献する首都とするべきです。

そのためには、単に一国家の利害からではなく、広く人類文明の行く末を念頭に置いた視座から、その都市像を考えていく必要があると思います。

こうした認識を踏まえ、地球時代の人類と文明に貢献する首都像として「環境文化首都」を提案します。

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「環境文化首都」のコンセプト

環境文化首都とは、21世紀の新しい文明を創造する都市です。

多くの近代産業文明のもたらした問題の解決に、積極的に取り組む首都です。

すなわち、浪費文明を克服し、自然環境と共生し、省エネルギーとゼロエミッション(廃棄物ゼロ)を目指し、人間性豊かな生活文化を育む首都です。

それは、一国家の利害を超越し、新たな「地球市民の首都」であり、わが国のみならず21世紀以降の人類全体が目指すべき都市・社会・生活、文化を実現する首都です。

平成9年1月に実施された総理府の世論調査の結果を見ても、新首都の街づくりに際して重視すべき点という質問では、「省エネ・リサイクル等の技術を導入し、周囲の自然環境とも調和を図るなど環境面を重視する」が最も多く、61.5%。

また、首都機能移転にあたり考慮すべき点という質問でも、「自然環境との調和を図る」が最も多く、42.3%でした。

国民も環境文化的な新首都を求めているのです。

わが国は、明治の開国以来、とくに戦後の高度経済成長期において、急激な産業化を成し遂げました。

そのため、経済、産業を優先重視するあまり、自然環境や人間性を軽視する傾向が強かったのです。

こうした傾向は、わが国だけではなく、イギリスやアメリカでも、国家が急速な産業化を進めた時代において必ず現れた傾向です。

たとえば19世紀末のロンドンの衛生状態の悪さなどは、つとに知られています。

しかし、イギリスは19世紀いにそうした体験をしているがゆえに、社会政策がいち早く充見し、20世紀以降は福祉国家としての道を歩み、経済・産業と人間・生活・自然が調和しながら発展していく方法を100年間模索し続け、実現してきたのです。

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