近代国家の首都から地球時代の首都へ
首都に相当する都市は、古代から存在してきました。
しかし、わたしたちが現在イメージするような意味での首都は、とくに近代以降の時代において、国民国家としての統合の象徴として、またその国の国民文化の発現の場として大きな役割を果たしてきたものです。
それは、国家間が領土やイデオロギーのために対立・競争し合い、場合によっては戦争の遂行を前提とした帝国主義の時代の国家における強力な政治・軍事の中心としての首都であったと言えます。
とくに第二次大戦時のベルリンや東京などは、そうした「帝国の都」の典型でしょう。
しかし今、東西冷戦構造が崩壊し、近代国家成立以前の民族間紛争が世界各地で起こっています。
また、アジアなどの諸国が急速に発展を遂げている一方で、地球環境問題が叫ばれるなど、これまでのように国家単位での利害追求を前提とした世界運営には限界が生じています。
むしろ、これから21世紀以降、新しい国家・民族のあり方を問うべき時代、地球文明構築の時代が到来しており、その意味で首都というものも、まったく新しい視点から考え直されなければならないでしょう。
とくに、近代産業国家としての繁栄に成功し、世界有数の経済大国となったわが国がこれから建設しようとする新首都は、近代の成果を踏まえつつも、近代産業社会のもたらした諸問題を解決していく首都、21世紀以降の都市、社会・産業・生活のモデルとなるような首都でなければなりません。
すなわち、それ自体がこれからの世界および人類への貢献であるような首都でなければならないのです。